ケトン体って聞いたことありますか?
私は食用油について興味があり資格まで取ってしまったのですが、油とケトン体は非常に関係が強く、油がケトン体を知るきっかけになりました。
調べれば調べるほど、ケトン体は私たち現代人に必要な物質だと思います。
流行りの糖質制限ダイエットにも関係してきますし、流行で終わらせてはいけないとも思っています。
- 肉を食べて痩せられる?
- Ⅱ型糖尿病でインスリン注射が必要なくなる?
- 肌や髪がつやつや?
- 食べた後に眠くなりにくい?
それではケトン体、行ってみましょう。
目次
ケトン体って何?
ケトン体を知るには、まず人間の体(脳を含む)が何をエネルギーに動いているか、を知る必要があります。
今までの私たちの常識は「炭水化物」だったと思います。
炭水化物というのは「糖質+食物繊維」のことで、正確には糖質を分解したときに出るブドウ糖が人体のエネルギー源になっています。
しかし人体のエネルギー源がブドウ糖だけだとすると、糖質を摂取しないと体も頭も働かないことになります。
私は糖質をほぼ摂っていない生活をしていますが、体も頭もばりばり動いています。
※ブドウ糖で作るエネルギーは1000kcalほどしか貯めておくことができなく、外から補給しなければ12時間ほどで枯渇してしまいます。
これは他の何かがエネルギー源になっているということです。
それが「脂肪を代謝した産物であるケトン体」です。
人間が持っているエンジンは2つ
- ブドウ糖エンジン(糖質から)
- ケトン体エンジン(脂質から)
です。
ケトン体は危険と認識されていた
体はブドウ糖があればブドウ糖をまずエネルギー源にします。
ブドウ糖がなくなればケトン体の出番です。
そのようなことから「ケトン体は飢餓状態である」など、良くないイメージがありました。(私は糖質を抜いても毎日おなか一杯食べていますが・・・)
またケトン体には3つ物質があるのですが、その2つが酸性の為、ケトン体が増えると体が酸性になり不調になる、とも言われていました。(アシドーシスと言います)
近年、このケトン体悪者説にメスが入り「ケトン体こそ最強の薬」とまで言われ始めました。
私は油のコレステロール悪者説と同じように感じました。(コレステロールは絶対必要)
古い論文をベースにして、抜け出せない。
本当に怖いのは糖質なのでは?
血糖値を上げるものは「糖質だけ」です。
高血糖が続くと糖尿病になってしまう危険性が増しますし、糖質を摂ると肥満ホルモンのインスリンを分泌させますので、単純に太りやすいです。
糖尿病は様々な合併症を引き起こす病気です。できるだけ避けたいですが食生活を気をつけなければたくさんの糖質を摂ってしまうことになります。
白米、パン、麺類、イモ類、清涼飲料水などは代表的な糖質の多い食品です。
(ラーメン、カレー、寿司、ハンバーガー、パスタ、スポーツドリンク・・・どれもオイシイですね)
このような食品ばかりを大量に摂って、しかも運動をしない状態が続くと危険性が増します。
糖質の摂り過ぎは、以下のような流れで体に変化をもたらします。
- 血糖値が上がる
- インスリン(肥満ホルモン)が血糖値を下げるために作用
- インスリンはブドウ糖をエネルギーとして利用
- エネルギーとして使わない分は脂肪として蓄える(これが肥満ホルモンと呼ばれる理由)
- 血中の糖が多すぎたりインスリンの動きが良くないと血糖値が下がらない
- 体がだるくなったり、最悪糖尿病になることもある
高血糖は危険です。
かと言って、急激に糖質を減らすことはありません。
(私は糖質制限を始めた当初ほぼ糖質ゼロをしましたが、開始直後少し頭がぼーっとしました。糖質制限をするなら少しずつ始めましょう。)
糖質を取らないと低血糖にならないの?
私もまずこれが気になりました。素朴に考えると、糖質を摂らなければ正常な血糖値(空腹時で大体70~100mg/dl)にならないんじゃ??
低血糖は一般的に血糖値が60mg/dL以下になった場合を指しますが、以下のような症状が出ます。
- 手足の震え
- 動悸
- 不安感
- 頭痛
- 集中力の低下や錯乱
- めまい
世の中の糖質制限をしている人たちもそうですが、私は糖質ほぼゼロの食生活を続けていますが上のような症状は出ていません。
これは「糖質を摂っていないのに低血糖になっていない」ということです。
私のように極端に糖質制限をしなくてもいいと思いますが、糖質を摂らなくても血糖値が安定する仕組みが体にはあるということです。
これを「糖新生」と言います。
糖質がない場合、たんぱく質と脂質でブドウ糖を作り出すことが出来ます。
つまり糖質制限を「正しく」すれば低血糖になることはないのです。
糖質を減らし多分、たんぱく質と脂肪をしっかり摂る必要があります。(ビタミンなどの栄養素も忘れずに)
ちなみに人間の体は
- 血糖値を下げるホルモン(インスリンのみ)
- 血糖値を上げるホルモン(グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモン)
というホルモンで血糖値を正常に保ちます。
血糖値を下げるものは1種類、血糖値を上げるものは4種類です。
人間の体はそもそも、現代のように糖質を大量に摂取する食生活に対応しにくいのです。
※低血糖には数段階も回避するシステムがありますが、高血糖はインスリンのみで対応するしかありません。
少し糖質というところから話題がずれるかもしれませんが、以下のことも注意が必要です。
カロリー神話
血糖値とカロリーには何の関係もありません。
ダイエットで「とにかく摂取カロリーを減らす」なんていうことも言われますが、低カロリーな食品には糖質が多く含まれる炭水化物も多いため、頑張ってダイエットをしているのに痩せない、逆に太ってしまった、なんとこともあり得ます。
ちなみにソーメンは私も好きですが、ソーメン自体もつゆも糖質が多いので、ヘルシーなイメージでダイエットによいと思われがちですが痩せにくい食品です。
バランス神話
三大栄養素は「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」ですが、摂取する割合を
炭水化物60%、たんぱく質20%、脂質20%
にすることが現在の栄養学の基本ですが、この割合には根拠がないそうです。
しかし、日本糖尿病学会もほぼ同じ比率を推奨しています。
アメリカでは見直しが行われていて、2013に糖質制限食を糖尿病食として正式に認めています。
これは言葉遊びですが、バランスがいいというのは33%ずつの状態ではないでしょうか?
実際糖質制限を推奨している日本の医師たちは重度の糖尿病患者には
炭水化物10%、たんぱく質45%、脂質45%
を推奨しています。
これくらい大幅に見解の違いがあるということが現状です。
ちなみに日本糖尿病学会の栄養指導や治療がメインストリームですが、年々糖尿病患者数は増える一方です。
コレステロール神話
このWEBサイトでもコレステロールを取り上げていますが、コレステロールは人間の体に必須です。
2015年4月に厚生労働省が勧める「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で、食事からのコレステロール摂取抑制目標値が撤廃されました。
しかし未だに健康のためにコレステロールを控えなければならない、と思っている人も多いです。
※コテステロールが高いイメージがある「卵」は、糖質制限では重要な食品です。
糖質制限とケトン体
産婦人科医の宗田哲夫先生は、胎児がお腹の中にいる時はケトン体を栄養源としてる、ということを明らかにしています。
この本の内容は非常に興味深く、面白かったです。
人はケトン体をメインのエネルギー源として育っていくのですね。
しかし生まれてから糖質を摂ると、飢餓に備えて脂肪を蓄えることを優先するためにケトン体を使わずにブドウ糖をエネルギー源として先に使っていきます。
少し大きな話をすると、人の歴史は飢餓との戦いでした。糖質を摂ればそれを脂肪として蓄え、食事を取れないときに備えるように出来ているのです。(しかし現在は糖質で溢れかえっています!外食も中食も糖質ばかり)
糖質はマイルドドラッグと言われるほど「食べたい!」と思ってしまいます。
もう「食べるのが当たり前」でそれがないと困るというような状態ですね。
人にはバイアスという色眼鏡もかかっており、例えば
強力な動機がないと人間は現状を変えない
物事がうまく回っていたら(多少うまく回っていなかったとしても)、新しい方法を試そうとは思わない。
とか
ある仮説を確認する際、自分の先入観や信念を肯定的に証明する情報を重んじて、これに反するような情報は軽んじたり黙殺する傾向にある。
によって、気づかないうちに変えることを拒んでしまうことが多いんですね。
糖質制限の話をしていると「ラーメンもうどんも米もパンもだめなの?そんな生活考えられないし、したいとも思わない。」ということをよく言われます。
バイアスから完全に離れることは不可能ですが、何か1つでも今までの行動を考え直すことができれば万々歳です!
糖質制限をすると、体内にブドウ糖がなくなるのでエネルギーとして脂肪を代謝してケトン体で体や脳を動かそうとします。
どのように糖質制限をしていくか考えていきましょう。
手軽に始められるMEC食
どうしてもカレー、ラーメン、お寿司が食べたい!という人にもオススメなのが「MEC食」と呼ばれるものです。
沖縄の渡辺信幸医師が提唱している方法です。
MEC食とは「Meet(肉)」「Egg(卵)」「Cheese(チーズ)」の3つを十分に摂り、「30回噛む」というルールを守る食事方法です。
それぞれ1日に
- 肉200g
- 卵3個
- チーズ120g(6Pチーズで6個)
を目安に食べます。
一口に30回噛むということをしっかり守ってください。
そしてここがMEC食の面白いところですが、
MECを食べてもお腹がはらなければ、糖質(炭水化物)を食べてもよいのです。
これなら精神的な負担も減りますよね!
糖質制限のガイドラインは?
MEC食でなく、糖質制限をする場合、
- スーパー糖質制限食:3食とも糖質を制限して主食を摂らない
- スタンダード糖質制限食:3食の内2食の糖質を制限して、1食だけ(夕食以外)主食を摂る
- プチ糖質制限食:3食のうち1食(基本的に夕食)だけ糖質を制限し、主食を摂らない
私は絶賛①を実行中ですが、開始直後は不調というほどではないですが、頭が少しぼーっとする感じがしました。
その為③から徐々に②に進んでいくことが良いのでは?と考えています。
そして大切なことは「単純に糖質を減らすだけ」は絶対に駄目です!
糖質を摂らない代わりにたんぱく質と脂質を増やさないといけません。
カロリーは必ず摂ってください。
私はこの本で糖質とカロリーをしっかり計算してカロリー不足がないようにしています。
糖質制限には欠かせない本だと思います。
ポイントは「急にやり過ぎないこと」です。
代表的な糖質が多い食品、少ない食品
糖質制限をするためにここで食品を少し紹介しますが、糖質のことだけを考えた食事は私はオススメしません。
もちろん緊急で血糖値を下げないといけない事情があるなど場合は別ですが、何か一つのこと(今回は糖質を制限すること)だけを考えた食事をすることは、他の何かに影響することがあるからです。
糖質を減らして、たん白質と脂質を増やす食事をしますが、今よりもたん白質と脂質を摂る量が増えるわけです。
そのたん白質と脂質で体に良くない添加物や遺伝子組み換えの食品ばかりを摂ってしまうと、違う体の不調を起こしてしまう可能性があります。
糖質が多い食品
- 米・小麦粉(パン、麺類、ピザなど)・ビーフン
- イモ類・かぼちゃ・とうもろこし
- 佃煮類(みりんに糖質が多い)
- カレールウ・シチュールウ
- 梅酒・紹興酒・日本酒・ビール
- バナナ・100%果汁のジュース
- ペットボトルの清涼飲料水
挙げればきりがありませんが、一つ注目しておきたいのは若い人でも糖尿病になる大きな要因に「ペットボトル症候群」というものがあります。
コーラやスポーツドリンクには大量の砂糖(糖質)が含まれています。
ちなみにコーラ500mlには角砂糖16.5個分も入っています。 運動もせず1日に何本も飲むことが習慣化されていると、糖尿病になってもおかしくありません。
また食事と一緒にコーラ500mlを飲んでしまうと、ご飯1杯もコーラ500mlと同じくらいの糖質量ですから、1食で角砂糖30個分は軽く摂取してしまいます。。。
糖質が少ない食品
- 肉類(牛肉、鶏肉、豚肉、羊肉など)
- 魚類・貝類・イカ・エビ・カニ・タコ
- チーズ・生クリーム・バター
- 鶏卵
- 大豆・豆腐・納豆・厚揚げ
- アスパガラス・キャベツ・きゅうり・シソ・大根・セロリ・パセリ・ピーマンなどの野菜類
- えのきだけ・エリンギ・しめじ・椎茸・なめこ・マッシュルームなどのきのこ類
- 塩・醤油・酢・マヨネーズ
- ウイスキー・ウォッカ・ジン・焼酎・泡盛
ここでの注意点は、例えばマヨネーズが糖質が少ない食品として挙げられていますが、質が非常に大事です。
油は人体に影響が大きいのでおさらいしておきたいですが、最も摂りたくない油は「死の油トランス脂肪酸」です。
マヨネーズの原料に「植物油」が使われますが、多くの場合いわゆるサラダ油が使われています。
このサラダ油にはトランス脂肪酸が入ってることが非常に多いのです。(日本ではトランス脂肪酸の表示義務がなく、どのメーカーも表示していません)
特に脂肪を代謝させることでケトン体を動かすのですから、脂質の質には十分注意して下さい。
糖質制限をするためには油の知識が必要だと思いますので、この記事も読んでおいてくださいね!
まとめ
糖質制限とケトン体、いかがでしたか?
私はご飯(白米)が好きで、お寿司も丼物も大好きです。
しかし「100%食べない」とは思っていません。
糖尿病を患っていたらまた考えが変わるかもしれませんが、現在は健康体で、さらにハイパフォーマンスを求めています。
月に一回は、お寿司!などのイベントも楽しそうです^^
私は糖質制限をしている中で、体感としてわかったことが3つあります。
- 食べた後、眠くならない
- 空腹感が減った
- 体脂肪が減った
糖質制限をしていないころは、ラーメンや丼ぶりをお腹いっぱい食べて、午後からの仕事は眠いことが多かったですが、糖質制限をした直後からそれがなくなりました。
そして午後6時位になると空腹感が強く出ていましたが、それもなくなりました。
また、私は痩せ型ですので体重は少しだけ減りましたが、特に運動もしていないのに体脂肪が3%落ちました。
痩せていますので、今までダイエットというものはしたことがありませんが、この糖質制限にはダイエット以上の可能性を感じて実践中です。
糖質制限についてもう少し詳しく記事も書いていますので、お時間あるなら読んでみて下さい。