増え続ける花粉症の患者数・・・あとで患者数の推移のグラフも示しますが、異様な増え方です。
花粉症とはアレルギー症状です。
アレルギーを起こす原因は人間の持つ「免疫」が過剰に反応してしまうためです。
※免疫とは、体内に入ってきた異物を排除しようとする機能です。
人によってアレルギーを起こす物質は違います。
花粉、ダニ、ハウスダスト、植物・・・
今回は花粉症をテーマにしています。それでは花粉症の根本解決について、いってみましょう。
目次
花粉症の状況
アレルギー症状一般に言えることですが
- 薬で止める
- 薬を飲み続けないといけない
というような対症療法は症状がひどい時は仕方ないと思いますが、「毎年の花粉症の時期に一生薬を飲み続けないといけない」というのは気が重くなりますよね。しかも根本的には治りません。
ちょっと前まで「花粉症は治らない病気」と言われていました。
環境省は「飛散する花粉の量が増えたため」という原因が花粉症患者の増加になっているとしています。
また環境省によると花粉症の予防には「いかに花粉を避けるか」ということを基本としています。
環境省が公開している「花粉症環境保健マニュアル2014」には
- 睡眠をよくとること
- 規則正しい生活習慣を身につけること
で正常な免疫機能を保つことも重要と書かれていますが、具体的な方法は示されていません。
このページでは、花粉症のメカニズムを理解したうえで「根本的に花粉症を良くしていこう」を目的にしています。
花粉症の患者数の推移
冒頭でも書きましたが、花粉症患者数は増える一方です。
グラフで見ていきましょう。
まずは花粉症の有病率です。環境省で公開されているデータを引っ張ってきました。
10年でかなりアップしていることが見て取れます。
スギ花粉症に関してはグラフで見る限り160%ほどになっている思われます・・・10年で1.6倍って。
次に「年齢別のスギ花粉症推計有病率」です。こちらも環境省のデータです。
30歳~44歳以外はすべて倍増していますね。
0歳~14歳では3倍以上の伸びです!
次でグラフは最後にします。
これは厚生労働省に公開されているデータです。
小学生のアレルギー性鼻炎の有病率ですが、伸び続けています。
花粉症は正確な患者数は把握できていませんが、確実に増えていることは間違いないです。しかも急激に。
花粉症のメカニズム
花粉症の方はもうご存知だと思いますが、花粉症の原因を簡単に説明しておきます。
原因が分かってはじめて対策を打つことができるので!
大まかな流れは
- 目、鼻、口などから花粉が侵入
- 免疫を担う細胞が「異物が入ってきた」ことを認識
- 花粉に対する抗体を作る(IgE抗体)
- IgE抗体はマスト細胞(肥満細胞)にくっつく→花粉撃退の準備完了
- 再び花粉が侵入してくると撃退!→ヒスタミンなどが分泌されアレルギー反応
- くしゃみ、鼻水、涙でつらい症状に
です。
体を異物から守ろうとしての反応なのですが、その機能で過剰に炎症してしまい、人間にはつらい症状となってしまいます。
体の炎症と「油」の関係
体が炎症を起こしやすい、起こしにくいというのは「油」が大きく関係しています。
炎症と油?とピンと来ないかもしれませんが、非常に関わりが深いです。
なぜかと言うと、人間の細胞は約60兆個あると言われていますが、その一つ一つの細胞には細胞膜があります。
その細胞膜の主成分は「油」です。
普段どのような油を摂っているかで、あなたの細胞膜の状態が変わります。
油は非常に大切なのですが、あまり体感が出にくいので(即効性が感じられないので)みんな疎かにしがちなんです。
でもだからこそ、そこに落とし穴があると思っています。
油で出来ている細胞膜は細胞を守ったり栄養素を通したり、つまり体全体の健康に大きく関わっています。
油のことを語り出すとかなり長くなってしまいますので、今回は花粉症に大きく影響する「炎症」の部分だけにフォーカスしてお話しします。
オメガ3とオメガ6だけは知っておこう!
このWEBサイトは油系の記事が結構多いと思います。
それくらい重要だと思っています!
油には「必須脂肪酸」といって、体内で作り出すことができない種類があります。
それがオメガ3とオメガ6という脂肪酸です!
見た目は同じような油なのですが「正反対」の特徴を持っています。
オメガ3(もっと摂りたい) | オメガ6(摂り過ぎ) |
---|---|
アレルギー抑制 | アレルギー促進 |
炎症抑制 | 炎症促進 |
血栓抑制 | 血栓促進 |
血管拡張 | 血液を固める |
オメガ3もオメガ6も必須脂肪酸ですので、どちらも必要な油です。
上の表を見てもらえば分かると思いますが、オメガ6を摂りすぎると「アレルギーを促進」し「炎症も促進」することが分かると思います。
つまり花粉症(何らかのアレルギー)の人は、日常的にオメガ6を摂りすぎている可能性が高いのです。
オメガ3とオメガ6の理想的な割合は「オメガ3:オメガ6=1:4」と言われています。
しかし油のことを考えずに現在の日本で生活していると、恐らく1:10、ひどいと1:50というヤバいくらいオメガ6を摂りすぎてしまいます!
ちょっと怖い言い方をすると、、、体が常に(慢性的に)炎症を起こしている、と言ってもいいくらいです。
そんな炎症状態の体に花粉が入ってきて、花粉症になっていることが考えられます。
これほど世の中がオメガ6まみれになっているのには理由があります。
いまスーパーなどで一般的に出回っている油は、ほとんどがサラダ油ですね。
「動物性の油より、植物性の油の方がヘルシー」といった情報が世界的にも蔓延して現在の状況が作られています。
そしてもう何年も前から、先進国を中心にアレルギー患者が急増しています。
外食なんかもほとんどオメガ6だと思って間違いありません。
コンビニのおにぎりなんかも、日持ちさせるために油を使っているんですよ?
魚(特に青魚)中心の食生活をしているとオメガ3が多く摂れます。
植物油で言うと「しそ油」や「亜麻仁(あまに)油」がオメガ3主体の油です。
ただ、オメガ3は特に熱に弱いので絶対に炒めものや揚げ物には使わないでください。
酸化した油はできるだけ摂取しないように!
花粉症を根本解決するために
油の話に偏ってしまいましたが、これから花粉症を根本的に解決するためのことを考えていきます。
気を付けてほしいことはたくさんありますが、影響力が大きい3つのことだけをまずは試してみて下さい。
- オメガ6を減らしてオメガ3を増やす
- 体内の活性酸素を減らす
- 腸内環境を整える
①オメガ6を減らし、オメガ3を増やす
これは先程書いてきた通りです。
酸化していない良質なオメガ3を増やすだけではなく、恐らく大量に摂っているオメガ6を減らしてください。
もう一度書きますが、現在の世の中はオメガ6で溢れています。
信じがたいかもしれませんが、チューブのわさびなんかにも入っています。
加工食品にはほぼ使われている「植物性油脂」「植物油脂」「植物油」というものは、オメガ6と考えてOKです。
食品を買うときは、原材料を注意して見てみて下さい。びっくりするくらい入っていますから・・・
ただ、ゼロにすることは不可能なので、そこまで神経質になることはありません。
花粉症の症状が重篤な場合は、オメガ6をできるだけ減らせるだけ減らして、オメガ3を増やしてください。
②体内の活性酸素を減らす
続いて②の「体内の活性酸素を減らす」ですが、これも花粉症だけでなく、健康や老化(アンチエイジング)のことを考えた時、非常に重要な項目です。
人間は生きていくために呼吸をして酸素を取り入れます。
その際に体内で必ず「活性酸素」というものが発生します。
活性酸素は悪者扱いされやすいですが、体の中の異物を排除する大切な役目があります。
しかし自分の体も酸化させてしまいます。これが老化に繋がります。
せっかく良質な油を食べても、体内で過剰に発生した活性酸素で酸化してしまっては、油で作られている体全体の細胞膜に悪影響を及ぼします。
活性酸素が増えてしまう原因としては
- 喫煙
- アスリートがするような激しい運動
- 過度なストレス
- 過度な飲酒
- 加齢
- 大気汚染
- ジャンクフードに使用されるヤバい油の摂取
などですね。
逆に活性酸素を減らすためには
- ファイトケミカルの摂取
- ビタミンA、C、Eの摂取
- ストレスの軽減
- 気持ちよく続けられる有酸素運動
です。
③腸内環境を整える
最後の項目ですが大切です。
体の免疫細胞の約60%が腸に集中している言われています。
腸内環境というのは人それぞれ違いがあり、食べるものによって毎日腸内環境は変化しています。
免疫機能を正常に働かせるためには、腸内環境を整えることが大切です。
腸内環境が良い、とはザックリ言うと善玉菌を増やすことです。
善玉菌と言ってもたくさんありますが、主に乳酸菌と考えてもらってOKです。
腸内環境を良くする方法としては
- 大量の乳酸菌を摂取する(生きていなくても死菌でもOK)
- 食物繊維やオリゴ糖を積極的に摂取する
- 良質なオメガ3の摂取
- 発酵食品を食べる
などです。
腸内環境のことに関しては別記事でも取り上げていますので、興味が出たら読んでみて下さい。
花粉症対策まとめ
実は今回の記事で挙げている項目は、花粉症などのアレルギー対策はもちろんのこと、健康な生活を送るための超重要な項目なんです。
健康のことを突き詰めていくと、様々な症状に対しての対策は、意外と同じだったりします。
そして「日々の食生活」や「体の動かし方」、「ストレスを感じる環境」が原因なことがほとんどです。
今回は花粉症を切り口に健康の話をしてきました。
ポイントは
- 自分が食べている油の種類と割合
- 活性酸素を減らす「抗酸化」に取り組んでいるか
- 腸内環境は整っているか
です。
花粉症やその他のアレルギー症状がひどい場合は、まず油のことを試してみて下さい!