今回は血圧についてです。
私の血圧は基準内なのですが、勤めている会社にも基準外の高血圧の人は結構います。
世の中(日本)には、なんと1000万人以上の人が高血圧です!
・・・ちょっと異常な人数ですよね。1000万人ですよ1000万人。
予備軍を含めると4000万人を超えるそうです。
脳卒中や心疾患を発症してしまうかもしれない高血圧。
なぜこれほど多くの人が高血圧なのか、なにか対策はあるのか。
考察していきましょう。
目次
そもそも血圧(高血圧)とは
そもそも血圧ってなんだろう。ということから考えていきたいと思います。
血圧とは、心臓が血液を送り出す力(圧力)のことです。
血圧があるからこそ体全体に血液を送り出すことができます。
胃や腸などの消化管で消化吸収された栄養素は、体に吸収できる形に変えられて血液を通じて全身に運ばれます。
心臓がしっかりと血液を送り出すと、血管が圧迫されます。それが血圧です。
血圧の「上」と「下」
健康診断などで血圧を測ると「上が120、下が75」などの数値が出ると思います。
「上」は心臓がドクッと収縮して血液を送った時の(収縮期)、最も血管に圧力がかかっている時の数値です。
「下」は心臓が次のドクッに備えて広がっている時の(拡張期)、最も血管に圧力がかかっていない時の数値です。
現在の基準(正常血圧)は上が130未満、下が85未満です。
血圧って1日のうちに上がったり下がったりを繰り返しています。
例えば、朝は体を活動させるために血圧が上がる傾向にあります。
私の血圧を例にしてみますね。
まずは安静時です。
この後、軽く筋トレをしてから測ってみると・・・
息が切れるほどの筋トレではなく、軽めの筋トレでもこれくらい血圧は上がります。
この状態だと私も高血圧と診断されてしまいますね(笑)
このように体には「血圧を上げる必要がある」と判断した時に、自動的に血圧を上げる機能が備わっています。
血流が多くなるので、血圧も上がる、という仕組みです。普段定期的に運動しているかどうかでも個人差はかなりあります。
高血圧は何が怖いとされているのか
高血圧は自覚症状がほとんどなく、心不全や脳卒中などの急性の命に関わる病気を発症すると言われています。
高血圧は糖尿病とともに「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」なんて呼ばれたりもします。
心不全に関しては、強い力で血液を送り出していると、心臓の左心室が肥大化→やがて心臓全体が肥大してきます。
- 心臓が大きくなってしまうと心臓(心筋)の酸素消費が増大
- 心筋に栄養を送る冠動脈の壁が次第に厚くなり動脈硬化を招き
- 結果として心筋の収縮力が低下して心不全になってしまう
という負のスパイラル。
脳卒中に関してですが、まず脳卒中には3つあることを知っておきましょう。
「脳梗塞」「脳出血(脳溢血)」「くも膜下出血」です。
現代ほど栄養状態が良くなかった昔は、高血圧に血管が耐えられず破裂してしまう「脳出血」が脳卒中の多くを占めていました。
しかし現代は、脳の血管が詰まる「脳梗塞」が圧倒的に多いです。
厚生労働省「患者調査」によると、平成26年度患者数は
- 脳梗塞:166,800人(脳卒中全体の約72%)
- 脳出血:51,200人(脳卒中全体の約22%)
- くも膜下出血:14,200人(脳卒中全体の約6%)
というデータがあります。
ほとんどが脳梗塞なんですね。
脳梗塞は血管が詰まって血液が流れなくなった先が壊死していく病気です。
脳梗塞になる原理としては、
- 高血圧により血管内に傷ができる
- その傷を塞ぐために血の固まりができる
- 血流が悪くなりさらに血管内に傷ができやすくなる
- 新たな傷を塞ぐために血の固まりができる
- 完全に血管を塞いでしまう
という流れです。
これらが高血圧が原因で起こるとされている代表的な怖い病気です。
お医者さんたちの論争
高血圧のことを調べていくと、お医者さんたちの間でも意見が真っ二つに割れていることに驚きます。
・・・良く考えてみると高血圧だけではないですね、、、他の病気でも真逆の主張をしているお医者さんはたくさんいますね。
高血圧に関しては
- 高血圧はほっといても大丈夫
- 危険です!すぐに降圧剤を飲みなさい
という見解があります。
いやいや医療を受けるこちら側としては困ります!(笑)
でもここで考えないといけないのは「自分の体のこと何だから自分でもしっかり考えよう」ということです。
つまりお医者さん双方の意見を聞いて、どちらを採用するか自分で決めないといけない。
では真っ二つに割れている意見をまとめてみます。
高血圧はほっといても大丈夫
まずは、ほっといても大丈夫派からいきます。
- 加齢ともに血管は固くなってくる(これが老化であり動脈硬化)
- 血管が固くなってくれば血液を全身に送るためにより圧力が必要
- 加齢で血圧が上がるのは当たり前であり正常
- 逆に降圧剤を飲むとガンになったり脳梗塞になったりする可能性が上がる
などなどです。
特に降圧剤はさまざまな副作用が出ます。
頭がぼーっとしたり、肌にぶつぶつが出来たり、人によっても薬によってもさまざまな副作用があります。
薬を変えると副作用がおさまる場合もあります。
薬剤師さんは「長期間飲み続けて副作用もなく、体に影響しないような薬はない!」と断言します。
ただ、ほっといても大丈夫と主張するお医者さんも「すべての高血圧に対してほっといても大丈夫」とは言っていません。
ここが大事なんですよね。
降圧剤を飲まなくても大丈夫、としているのは「加齢」「ストレス」「不安」「アルコール」「運動不足」「睡眠不足」が原因の高血圧です。
しかし「高血糖」「腎症」「慢性貧血」「動脈狭窄」「交感神経腫瘍」などの症状が影響している高血圧については、その限りではない、としています。
ただ、これらの本当の高血圧(2次性高血圧と言います)は、1000万人以上いる高血圧のうち数パーセントだと言います。
危険です!すぐに降圧剤を飲みなさい
さて、反対の意見です。
こちらの意見は
- 高血圧の診療に際して「高血糖」や「腎症」「喫煙」「肥満」など、その人にどんな疾患や病態が合併しているか
- 家族の遺伝傾向のある循環器系の疾患があるのか
をすべて拾い上げて評価する。ということです。
つまり「医師が降圧剤を処方する場合は降圧剤が必要だからこそ処方しているのであり、降圧剤を飲まないと危険な状態になってしまう。」という理解をしました。
また、高血圧と分かっているのに放置しても良いという判断をする医師は犯罪である。とも言っています。
どちらの主張もなかなか強く、医療を受ける側としては困りますね。
でも大体はお医者さんは「権威化」されていますから、自分が直接お医者さんから言われたことを行動することが多いのではないでしょうか。
原因と結果を間違えないようにする
意見が真っ二つに割れている高血圧に関してですが、私が調べた限りでは、実は意見は割れていないと思います。
どちらの意見も
- 高血圧には原因がある
- 降圧剤を飲まないといけないケースはある
と言っているからです。
ここで考えないといけないのは「原因がはっきりしない高血圧→本態性(ほんたいせい)高血圧」です。
そして高血圧の90%がこの本態性高血圧とされているのです。
「高血圧はほっとく派」は、原因も分からないのに降圧剤を出すのは医師の怠慢では?そんな薬出して飲み続けた副作用の方が怖いでしょ。です。
「危険です!降圧剤の飲みなさい派」は、医師の診断で原因が特定できたからこそ降圧剤を出している。です。
・・・つまり同じことを言ってるんですよね。
- 高血圧は原因ではなくて結果である
- 原因を特定して対処するべきである
双方の主張はこうだと思います。これなら私たちも納得できます。
しかも当たり前のことです(笑)
「高血圧はほっといていい」なんていう言い方をすると、よく調べないと本当に放置するケースもあります。
でもきちんと調べると、すべてほっといていいことではないですよ。降圧剤が必要なケースもありますよ。と主張としている。
私が怖いな、と思ったのは「すべてのお医者さんが正しい診療ができるのでしょうか」ということです。
もちろん私なんかよりは比べ物にならないくらい勉強しているでしょうし、様々な患者さんとの経験もあると思います。
しかしお医者さんも人間ですし、病院を変えると別の診断結果が出ることもあります。
高血圧を抑えるために一時的に降圧剤を飲むのは良いと思いますが、高血圧は結果であり、原因を解決しないことにはそれこそ一生降圧剤を飲み続けなければならない状況にもなってしまいかねません。
途中で説明した薬剤師さんの話からも、副作用のある薬を一生飲み続けていくことのリスクも考えないといけません。
そして1000万人を超える高血圧の人数を考えると、もしかしてそのような状況になっているのでは、つまり飲まなくてもいい降圧剤を飲み続けている状況もあり得るのではないでしょうか、ということを考えてしまいます。
個人で出来ることは生活習慣の改善
私たちは医師ではないですから、個人で出来ることはもちろん「生活習慣の改善」ですね。
まずは高血圧を改善できるであろう生活習慣について考えていきましょう。
一般的に高血圧を下げるには
- 食塩(ナトリウム)の制限
- カリウムの摂取
- アルコールの制限
- 禁煙
- 脱衣室の暖房や定期的な運動
- ストレスを減らす
- 肥満の場合は体重を減らす
などの方法があります。
それぞれ「なぜ血圧を下げる効果があるのか」を説明し出すとこの記事が終わらなくなってしまいますので、一般論として上のような方法がある、としておきますね。
この中で個人的に気を付けた方がいいなぁ、と思うので①の塩分(ナトリウム)の制限についてです。
塩分を摂りすぎると血中の塩分濃度が上がります。
そのため体が塩分濃度を薄めようと血液中に水分を取り入れます。
血液の量が増え、血圧が上がる。という流れです。
しかし、塩分(ナトリウム)というのは人間にとって必ず必要な微量栄養素(ミネラル)でもあります。
塩分が極端に摂取しないと、めまいや脱力感や痙攣(けいれん)、精神障害など命に関わることもあります。
体内(血中)のナトリウム濃度が高い場合は、②の方法のカリウムの摂取が大切です。
カリウムは血中の余計な塩分(ナトリウム)を体の外に出す役割があるミネラルです。
しかし今度はカリウムの濃度が問題になる可能性もあります(笑)
腎臓の働きが悪いとカリウムの濃度が上がり高カリウム血症になったりと、言い出したらキリがありません・・・
そこでここでは、簡単に出来る高血圧対策を考えてみます。
- 糖質の摂りすぎは肥満の原因になります
- 血糖値をコントロールが大切。自律神経を整えることにもつながる
- 新DASH食を参考にする
- 精製した塩を使わない
- 食後に20分程歩く
- 下半身のトレーニングを行う
以上が、普段の生活習慣で血圧を下げる考え方です。
糖質は極端な糖質制限のように、完全にゼロにする必要まではありません。
しかし現代人は明らかに糖質の摂りすぎです。
糖質のドカ食いは血糖値を急上昇させてしまうグルコーススパイクを引き起こします。
急激な高血糖になると血糖値を下げるためにインスリンというホルモンがドバっと出ます。
その後急激に下がった血糖値を今度は上げるためにアドレナリンなどのホルモンが出ます。
その結果血圧が上がってしまう。
血糖値のコントロールは様々な面で健康的な生活に重要ですが、このように高血圧に対しても重要な考え方です。
③の新DASH食というものですが、アメリカで高血圧による心血管系疾患を防ぐ目的で始まった食事法です。
- カロリー制限ではなく
- 糖質を控え
- 塩を摂りすぎないようにし
- カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維を増やす
ザックリ書くとこんな感じです(笑)
この新DASH食の考え方を見た時に「現代人が過剰になっている物を減らし、不足している物を多くする普通の食事」と私は感じました。
普通の食事を摂ることが今の世の中では難しいということです。
最後に、食後に歩いたり下半身のトレーニングですが、年齢が高い人ほど行った方が良いと考えています。
スクワットを正しいフォームで行うことを毎日続けて下さい。
更におススメは「パワーポジション」とか「アスレチックポジション」と呼ばれるポジションをしっかり取れるようにお尻の筋肉も鍛えることです。
人体で一番大きな筋肉はお尻の筋肉です。
でも普段の生活ではなかなか使うことがなく、お尻の筋肉を動かそうと思っても動かない人がほとんどです。
下半身の筋肉を鍛えると、血液が下半身までしっかり届けられます。
全身に血液がまんべんなく届けられるようになると血圧も下がっていく、という理屈です。
高血圧まとめ
高血圧について書いてきましたが、いかがでしたか?
この記事で書いてきたことだけでも分かると思いますが、人体は非常に複雑なので「なぜ高血圧になっているのか」を特定することが難しいのです。
お医者さんでも分からないケースがあるのですから。
ですので、私たちは「高血圧になりにくい生活習慣」を実践していくしかありません。
ほとんどの病気は生活習慣が原因である。と言い切ってしまうお医者さんもいます。
私たちが自分で当たり前のように選択している普段の生活の積み重ねがで病気になってしまうかもしれません。
自分では選択している気もしないのが怖いですよね。それが生活習慣というものです。
お医者さんに高血圧と診断された場合は
- 本態性高血圧なのか
- 2次性高血圧なのか
をしっかりお医者さんに診断してもらって、降圧剤を処方された場合でも、薬なしで血圧を下げる方法も確認した方が良いと思います。