高濃度茶カテキンで脂肪を燃やしやすくする。
というテレビCMが出て、もうかなり時間が流れましたね。
発売されたのはなんと2003年のようです。現在は2017年ですからなんと約15年も経っているのですね・・・
もちろんトクホのあの商品のことですが、トクホとは「特定保健用食品」の略で、定義は
「特定の保健の目的で摂取する者に対し、その摂取により当該保健目的が期待できる旨の表示が許可された食品」
です。
分かりづらいので、私的翻訳をすると
- 身体によい効果があるとされている物質を追加して、国がOKと認めたもの
- 天然素材そのもの(オーガニック)とかではなく、化学物質を追加している
というものです。どこからか怒られそうですけど。
「化学物質」と書くとちょっと嫌なイメージがあるかもしれませんが、「この物質を摂取すればこのような効果がある」という根拠に基づいてはいます。
トクホと似たような表示で「機能性表示食品」というものは見たことがありますか?
こちらは国の審査やお墨付きはありませんが、トクホと同じく科学的に根拠を示す必要はあります。
どちらもその食品の持つ効果や機能を表示することができる「保健機能食品」です。
いろいろありますね。
では高濃度茶カテキンが、なぜ「脂肪を燃焼させやすくする」のかを考えていきましょう。
高濃度茶カテキンが脂肪を燃焼させやすくする仕組み
ヘルシアの販売をしている花王さんのWEBサイトに「茶カテキンによる体脂肪低減メカニズム」の記載があります。
http://www.kao.co.jp/rd/eiyo/about-cat/cat08.html
その大前提として
エネルギーとして使用されなかった脂質は血液を介して全身をめぐり、脂肪組織に蓄えられていくのです
と書かれています。
私的にはこの前提は問題があると思いますが(後述します)、続いてメカニズムに進んでみましょう。
高濃度の茶カテキンを継続的に摂取することによって起こった体脂肪量の減少は、消費エネルギー量が摂取エネルギー量を上回ったことを示しています。
ヘルシアを飲むことで摂取したエネルギー(ここでいうエネルギーはカロリーのことだと思います)よりも消費エネルギーが多くなった、そのため体脂肪が減少した。ということです。
高濃度茶カテキンを摂取すると、肝臓での脂質代謝が活発になり、結果として脂質の燃焼エネルギー消費の増加が起こっている、つまり「飲むだけで代謝を上げ、結果痩せる」というメカニズムです。
うーん、私の周りにも高濃度茶カテキン飲料を飲んでいる人はいましたが、痩せていった人は見たことがありません。
ただ、様々な実験データもありますし、代謝が上がることは間違いなさそうです。それが「体感として現れるかどうか」は分かりませんが。
この段階では、飲んだ方が良いかもしれないけど、結構高い金額もするし毎日飲むには・・・という感じです。
しかし2010年に「ヘルシア緑茶」が日本人間ドック検診協会の推薦を受けてから、商品も拡大しています。
日本人間ドック検診協会の他の推薦商品も見てみましたが、食品はすべて?トクホでした。
ううーむ、お金の匂いがするのは私だけでしょうか・・・
健康被害の報告
高濃度茶カテキンの健康被害の記事も結構出てきます。
情報量結構あるな、と思って調べていましたが、どうも2つの主張がほとんどのようです。
1つ目
2007年にカナダでサプリメントに使われていた高濃度茶カテキンによって肝障害が起き、カナダでは販売禁止。アメリカでは注意書き付きで販売。
2つ目
体内のアドレナリンの量を増やして脂肪燃焼をさせる。脂肪燃焼が活発になるレベルまでアドレナリンの量が増えるのであれば交感神経の作用は非常に強くなっており、心拍数の増加や血圧の上昇、不眠、下痢などさまざまな副作用が現れる。逆に副作用が現れない程度なら脂肪燃焼効果はない。どちらにしても困る。
この2つの主張をいろいろなWEBサイトで書いているようです。
この裏を取ろうと思いましたが、、、正直私は「トクホは摂らなくてもいいんじゃない?」と思っていますので、調べるまでできませんでした!すみません!
そもそも論として・・・
脂質をたくさん摂りすぎた場合は効果があるのかもしれませんが、一番勘違いしてほしくないのは「脂質だからといって全てが身体の脂肪(中性脂肪)になるわけではない」ということです。
脂質は体全体の細胞膜の材料になるほか、ホルモンの材料やエネルギー源、脳細胞への影響、脂溶性ビタミンの吸収など、体にとって重要な役割をたくさん持っています。
上でも少し問題視しましたが、脂質を食べる→体に脂肪がつく、ではないんです。
ですので良質な脂質は必ず摂取しなければなりません。
ダイエットを目的にするなら、油ものを食べて高濃度茶カテキン、ではなくて、糖質(米、パン、麺、コーラなど)を減らすべきだと考えます。
身体の中性脂肪が最も増えるコースというのは
- 糖質の摂取
- 運動しなければエネルギーが余る
- インスリンが糖質を中性脂肪に変える(なのでインスリンは肥満ホルモンとも呼ばれる)
という流れです。
糖質は「ほぼエネルギーとしてのみ」にしか使われないので、余ったエネルギーは中性脂肪に変わると思っても良いと思います。
このあたりの原理を知っていれば、自分の目的には何が合っているのか何を変えるべきなのか、ということは分かってきますね。