今回は、私たちの生活で、もはや当たり前になっている「食品添加物」について書いていきます。
食品添加物については2005年に「食品の裏側 著:安部司さん」という衝撃的な本が出た際、食品添加物の現状が日本国民に初めて分かりやすく解説されたのではないでしょうか。
あれから10年以上経ちましたが、だんだんと食品添加物への意識も薄れてきて、私たち消費者は食品に対して
- 安い
- 早い・簡単
- 長持ち
- 美しい
が当たり前という感覚になっていると思います。
私たちが普段食べている食品にはどのようなものが入っているのか、食品添加物から完全には逃れることはできないですが、せめて知ることが大事だと思い記事にしますね!
目次
食品添加物って何!?
スーパーやコンビニはもはや食品添加物抜きでは営業することはできませんし、それはつまり私たちの生活にも大きく関わっているということです。
食品添加物は上でも書きましたが、
- 安い
- 早い・簡単
- 長持ち
- 美しい
を実現するために食品に使用します。
使用するというよりは「添加物を使って食品を作り出す」という表現の方が近いかもしれません。
廃棄されるはずのクズ肉がミートボールに変身したりするのです。
安いに注目
「安い」に注目して例を出しますと、例えばスーパーで売っている特売のハム。
100キロの豚肉から160キロのハムを作ることができれば、安く販売することができますよね?
増やし方は、加熱すると固まる添加物を幾つか水で溶き、注射器で生肉に打ち込み、機械で肉をもみ内部に行き渡らせた後、型にはめて加熱して完成。
安い霜降り肉も、添加物で乳化させた牛の脂を注射していることが多いそうです。
食品を買う時にひっくり返してラベルを見るクセをつけましょう。自分や家族が食べるものですから。
肉なのになんでいろいろ入っているの?
という疑問を持つことからスタートしましょう。
長持ちに注目
「長持ち」に注目してみます。
これはよく聞くと思いますが、pH調整剤という添加物で腐敗を抑えています。
酢の物のように酸性の食品のほうが日持ちします。
pHは0~14段階あり、7が中性です。数字が少ないほうが酸性です。
酸っぱいと感じないギリギリのラインまで酸性にすると、味を損なわず日持ちさせることが出来ます。
そしてpH調整剤というのは「一括表示」されています。法律上OK(食品衛生法)なのですが、これが怖い。
pH調整剤として使われる添加物は
- 酢酸ナトリウム
- リン酸
- グリシン
- グルコノデルタラクトン
- アジピン酸
- リンゴ酸
- メタリン酸ナトリウム
- ポリリン酸ナトリウム
- グルタミン酸ナトリウム
- リゾチーム
など、まだまだあります。
pH調整剤と書かれている場合、どれがどれくらい入っているか分かりません。
同じ目的で使用する添加物は一括表示してよい、ということになっています。
「香料」や「イーストフード」も同じ考え方です。
しょうゆで考えてみる
次に皆さんおなじみのしょうゆを例にとって見てみましょう。
「本物のしょうゆ」というのは「丸大豆しょうゆ」と言います。
材料は、大豆、小麦、塩です。
量が多いのに金額が安いしょうゆは「○○醸造方式」と呼ばれています。
- 調味料(アミノ酸等)
- 酸味料
- 甘味料
- 安息香酸ナトリウム(又はアルコール)
- カラメル
などの食品添加物で味や色を付け賞味期限をのばします。
今度スーパーでラベルを見てみてくださいね。
食品添加物の怖いところ
先程も紹介した「一括表示」。消費者はどのような添加物が入っているか分からないのです。
またキャリーオーバーという考え方も説明しておきます。
例えば焼肉のタレを作るとき、原材料にしょうゆを使います。
使用したしょうゆに使われている添加物は「表示しなくて良い」というのがキャリーオーバーです。
こうなってくると、もはや消費者個人で添加物を調べるのは不可能と言ってもいいと思います。
でも一括表示とキャリーオーバーの仕組みをわかっていれば、ある程度ラベルを見ることは出来ると思います。
食品のラベルに「pH調整剤」「しょうゆ」「調味料(アミノ酸等)」と書いてあっても3種類ではないことがほとんどなのです。しかも何が入っているか分からない。。。
添加物単体の試験は動物実験
もちろん各メーカーは法律で定められた添加物を使用量も守って使っているはずです。
しかし添加物の種類や量は、人体実験するわけにもいかないので動物実験の結果に基づいて決められているのが現状です。当然ですが人間で実験しているわけではありません。
しかも複数を同時に摂取した場合の実験がされていないことも問題視されています。
ここまで見てきたように、食品添加物を1種類だけ摂るということは現実的にはほとんどありません。
子どもたちが安いもの・早いものを中心にした食品添加物が当たり前に入っている食生活を続けていくと、本来の食材の味ではなく添加物の味で育ってしまい、食品添加物が入っていないと「オイシクない」という味覚になってしまう恐れがあります。
私はようやく最近は食べなくなりましたが、カップ麺やカップ焼きそばをたまに食べたくなり、食べると「オイシイ」と思ってしまうという感覚です。
国民食とまで言われることもありますが、現在、病気大国になっていることと無関係ではないと思います。
食品添加物の良いところ
食品添加物はできるだけ摂りたくないなぁと思いますが、しかし、良いところもあります。
- いつでもコンビニで食品が買える
- 自宅でも数十分で凝った料理が作れる
便利ですよね。
仕事で帰りが遅くなってもスーパーでお惣菜やコンビニでお弁当も売っています。
これらに食品添加物を使っていなかったら、すぐ腐ってしまい食べられません。
無添加で腐ったものを食べるよりは、添加物で腐食を抑えた物を食べたほうが良いとも思います。
私たちの生活は食品添加物によって大幅に便利、楽になっていることは忘れてはいけません。
どうして日本は食品添加物で溢れかえっているのか
これは私たち「消費者が求めた」からです。
メーカーも売れないものは作りません。売れるから作っているのです。
早く、安く、キレイでオイシイ食品が販売されると、どんどん売れるからです。
中に何が入っているかより、どのようにその食品が作られているかより、私たち消費者が「安いし賞味期限も長い」ことを優先してきたということです。
決してそれがダメだということではなく、何を優先するかは人により違いますが、今の私の思いは
分かった上で選択しよう
ということです。
時間のないときにコンビニのおにぎりを食べることもあります。疲れた時は外食して帰宅することもあります。
その分、翌日は家で料理をする。
こんな感じで少しずつ食品添加物を摂取する機会を減らしていくことからスタートしたらいかがでしょうか。
世界から日本を見ると
日本人は特に食品の「形」「色」にこだわりを持っていると思って良いと思います。形が揃っていて色がキレイなことを当たり前だと思っている。
それらを均一にするには作物には薬品を使う必要があり、食品には食品添加物がうってつけです。
日本の食品を海外で作るケースは珍しくないですが、工場で働く現地の作業員は「日本向けの作業場から外してほしい」と要望が出ることもあるそうです。
いろいろな薬(添加物)を扱うので怖い、というのが理由です。手荒れや咳込むといった症状があるそうです。
- 形が揃っていなければダメ
- 黒ずみがあってはダメ
- キズがあったらダメ
これらにこだわる消費者が多いので、添加物を使う。
「日本人はあれだけ頭が良くてお金持ちなのに、食べ物にどうしてこんなに薬をいっぱい入れるんですか」
これが海外からの素朴な意見です。
何を食べていけば良いのか
これは私の体験なのですが、数年前、食品添加物のことはおろか健康に関しても特に気にせず生活をしていた時に、コンビニのサンドイッチを食べていたら気持ち悪くなって食べられないということがありました。
その後も何度かチャレンジすることはあったのですが、結果は同じで何口か食べると残してしまう・・・
今となって分かることですが、コンビニのサンドイッチは食品添加物が大量に使われているようです。
ミックスサンドイッチには食品添加物が80~100種類使われているといいます。
新鮮な野菜と、卵、ハム、シーチキンなどイメージは非常にヘルシーですが、実際は食品添加物によって成り立っている食べ物です。
自分が口にする物、家族が口にする物は「安く、早く」ばかりではダメだと思うんです。
もちろん絶対にダメということではなく、週に何回かでも無添加の食事をする機会を作ってみるのはいかがでしょうか。
スーパーで買い物をする時も、ラベルを見るクセをつけると面白いですよ。
値段が安くて賞味期限が長いものには本当にたくさんの添加物が記載されていますから。(一括表示とキャリーオーバーはお忘れなく)
少し工夫すると、例えば有機の大豆栽培で作られた丸大豆しょうゆを持っていれば、そのしょうゆベースでポン酢や焼肉のタレは作れます。
いい油と組み合わせてドレッシングも作れます。たったこれだけで食品添加物の量は格段に減ります!
少しの手間で食生活は変えられます。
いい食品(食材)を買ってみよう
無添加、無農薬の食材を少しでも多く取り入れる、というのが私の提案ですが、1つ指標があります。
日本では「有機JAS認定」という仕組みがあります。
安心安全を求める消費者のために「有機JASマーク」が付いていますので、注意して見てみてください。
※他にも加工食品JASマークや特定JASマークなどありますが、JAS=有機というわけではありません。
もちろん一般の食品よりは金額は上がります。
有機野菜は農薬や化学肥料に頼らず育てられますので、その分手間がかかります。これを続けている農家の方々は本当にすごいと思います。
何よりも安心で安全、栄養価の高い食材を食べてほしいと一生懸命育ててくれています。
しかし消費者が有機JASよりも食品添加物の安い食品を買うことが多いので、あまり売れていないようです。
私はたまに有機野菜やオーガニックワインを扱っているレストランに行きますが、料理の腕がいい前提はありますが、野菜が本当においしいです。
ワインも酸化防止剤が入っていない(もしくはごく微量)のオーガニックワインを飲むと、もう普通のワインには戻れませんし、今までワインが苦手だった人もおいしく飲めてしまうケースもあるくらいです。
まとめ
食品添加物について概要を説明してきました。
○○という添加物は大丈夫だけど、△△はできるだけ減らしたほうが良い!というような内容よりも、まずは「自分の食生活から少しでも添加物を減らしてみませんか?」という提案です。
この話をすると、食べるものがなくなる、という意見をもらうことが多いですが、そこまで厳密に考えなくても良いと思います。
現実世界ははっきりと分けられることはほとんどないので、そのような混沌の現実世界で、自分の軸を持ってバランスを取りながら、選択していく機会を増やせたら良いなぁと思っています。
特に「口にする物」は早い、安いよりも、どちらかと言えば安全の方が良くないですか?
価値観はそれぞれだと思いますが、私は素朴にそう思います。