サラダ油はなぜ危険なのか?

サラダ油は危険ですか?

いきなり質問です。

一般的に過程に普及しているサラダ油ですが、こんなことを聞いたことがないですか?

 

  • サラダ油は認知症になる!
  • サラダ油はがんになる!
  • サラダ油はトランス脂肪酸を多く含んでいるから危険!
  • サラダ油はうつ病になる!

 

油のことを調べれば調べるほど、油は人間の体の重要な役割を担っています。

 

もしかしたらあなたの家庭にも大容量のペットボトルのサラダ油があるかもしれません。

安心して使える油かどうかいっしょに考えてみましょう。

 

まずはなぜ油が人体にとってどれほど重要なのかを考えていきます。

油は体中の60兆個の細胞すべてに関与している

油は体の60兆個の細胞に影響する

人間の体には約60兆個の細胞があります。

細胞は「細胞膜」に守られていますが、この細胞膜を構成する主の成分は油で出来ています。(正確にはリン脂質と呼ばれます)

 

体中の細胞膜を作っている油はもちろん食べた油に影響を受けます。

細胞膜の役割は「細胞を外敵から守るバリア」「栄養素や酸素を細胞に取り込む」「細胞内で発生した老廃物を排出する」など重要な部分を担っています。

 

さらに脳も約60%が油で出来ています。

その他、

  • 体を動かすエネルギー源
  • ホルモンの材料

などにも使われます。

 

油(脂質)は体に取って無くてはならない物であり、体に及ぼす影響が非常に強い栄養素です。

※油抜きダイエットなどは絶対にやめてくださいね!

そして知らず知らずのうちに毎日摂取している油がいわゆるサラダ油です。

 

サラダ油とは一体何か?

サラダ油とは一体・・・

サラダと呼ばれるだけあって、サラダ油は様々な植物が原料になっています。

植物の種子から油を抽出します。

「サラダ」と書かれているので、ヘルシーなイメージがありますね。

実際その「イメージ」と世の中の「植物性の油が健康に良い風潮」で爆発的にサラダ油が広がりました。

 

サラダ油の原料となる植物は以下の通りです。

  • 菜種(キャノーラ)
  • 大豆
  • とうもろこし
  • ひまわり
  • ゴマ
  • 紅花(サフラワー)
  • 綿実
  • ぶどう
  • ※上記の油を混合したものも多いです。それもサラダ油です。

 

たくさんの種類がありますが、注目すべきは「どのように育てられた植物か」ということと「どのようにサラダ油を作るのか」ということです。

 

サラダ油はどのように育てられた植物を使用しているか

サラダ油の原料はどのように育てられているか

実際に調べてみれば分かりますが、多くのサラダ油は遺伝子組み換え原材料を使っています。

サラダ油を販売しているメーカーのWEBサイトにも「遺伝子組み換え不分別」としっかり記載しています。

これはつまり、遺伝子組み換え原材料が入っている可能性があるということですが、ほぼ入っていると考えて間違いないです。

大豆を例にすると、日本の自給率は7%です。残りの93%は輸入ということです。

そのうちの約70%はアメリカから輸入にしています。そしてアメリカでは大豆の90%以上を遺伝子組み換えで生産しています。

 

しかし商品のパッケージには「遺伝子組み換え原材料を使用しています」とは書いていません。

 

表示の義務がないためです。

 

あ、ちなみに「遺伝子組み換えでない」という表示は見たことがあると思いますが、原材料の95%は遺伝子組み換えでない、という意味で、残りの5%は遺伝子組み換えの可能性があります。分かりづらいですね・・・

 

そもそもなぜ遺伝子組み換えを行うのでしょうか。

簡単に言うと、コストを下げるために大量に植物を育てるため「除草剤のような農薬にも枯れない」「虫が植物を食べると死ぬ」という植物にすることです。

農薬の大量散布で植物を管理する手間が大幅に削減でき、育てている植物を虫が食べると死んでしまうのでさらに手間がかからなくなります。

だから安いんですね。

 

しかし、明らかに自然の植物ではありません。

虫が食べて死ぬ作用を持った植物を、私たちが食べているというのは事実です。

ちょっと怖いイメージですが、まずは事実を受け止めましょう。

 

どのようにサラダ油を作るのか

サラダ油は精製油です。天然の油を脱臭・脱色・熱処理などを行った油です

実は私たちが想像しているよりも激しい工程で作られているのがサラダ油です。

 

  1. まずは植物の殻などを細かくフレーク状にして溶剤(ようざい)を添加します。溶剤とはヘキサン、ヘプタンと呼ばれるはガソリンのような石油系の物質です。
  2. これらの溶剤は揮発性が高く、いっしょに熱すると油の材料から油分を根こそぎ抽出することができます。
  3. その後さらに高温にし、溶剤を気化させます。そうすると油分だけが残ります。(有害な溶剤が残っている可能性があると指摘する専門家もいます)
  4. 保存を良くするため(賞味期限を長くするため)食物繊維やミネラルの栄養素を取り除きます。ここでも加熱します。
  5. 脱色・脱臭をするために高温で加熱します。

 

サラダ油はこのような工程で作られます。

何度も高温で加熱されることが特徴です。しかも最後の脱臭工程では250℃という高温で長時間油を放置します。

 

油は本来、生鮮食品でしたが、私たちが気にせず口にしている油は加工食品ですね。

(しかし、今でも生鮮食品の油を購入することはできます)

 

油にとって最も避けたいのは「酸化による劣化」です。

光を浴びたり空気に触れたりするともちろん酸化していきますが、最も酸化する原因は「加熱」です。

 

そのようなことからサラダ油は「店頭に並ぶ頃にはすでに死んだ油になっている」と言われたりします。

 

サラダ油は具体的に何が危険と考えられているのか

サラダ油の危険性

サラダ油の原材料と作り方を見てきました。

どちらを見ても「体には良くなさそう」というイメージがあると思いますが、具体的にどのような問題があるのでしょうか。

 

オメガ6(リノール酸)の摂りすぎ

詳しくは以下の記事で紹介していますので、ここでは触りくらいの説明で。

油は太るの?健康に悪いの?大事な油の話

2017.02.19

サラダ油は様々は原料があるので一概には言えませんが、普通に生活をしているとオメガ6(リノール酸)を大量に摂ることが多いです。

オメガ3(α-リノレン酸)という油もあるのですが、このオメガ3とオメガ6は必須脂肪酸と呼ばれ、体で作り出すことができないので必ず食べることで摂取しないといけません。

人体にとって理想的な割合は4(オメガ6):1(オメガ3)です。

しかし現代人は10:1や人によっては50:1になるくらいオメガ6が多くなっていると言われています。

 

「良質なオメガ3」は意識しないと摂ることができません。

このようなオメガ6過多の生活を続けることによって、オメガ6の特徴が細胞に強く出てきます。

オメガ6の特徴は

  • 血液凝固作用
  • 血栓促進作用
  • 炎症促進作用
  • アレルギー促進作用

です。

オメガ6は堅牢な細胞膜を作る作用をするのです。(決して悪いことではなく体にとって必要なことですが、度が過ぎると悪影響のなります)

その結果、日常生活に支障をきたすほどのアレルギー反応を起こしたり、炎症が進んで細胞が傷ついたりしてがんになる確率も上がります。

血管も詰まりやすくなります。

 

サラダ油とトランス脂肪酸

サラダ油とトランス脂肪酸

この記事を読んでいるということはトランス脂肪酸について知っている方もいるかとは思います。

でも大事なところですのでトランス脂肪酸について少し説明しておきますね。

トランス脂肪酸は「死の油」とも呼ばれ、アメリカやヨーロッパなどではかなり厳しく規制されている油です。

トランス脂肪酸の含有量の表示はもちろんのこと、含有量自体に関しても厳しく規定されている州も多いです。

トランス脂肪酸は

  • 肥満
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 高脂血症
  • 動脈硬化
  • 心臓病

の原因になるとされています。

 

どれくらい摂っても大丈夫?ということではなく、可能な限り摂取量をゼロにしたい油がトランス脂肪酸です。

しかし日本では規制は一切なく、含有量の表示すらされていません。

 

このトランス脂肪酸とサラダ油の関係ですが、200℃以上の高温で熱するとトランス脂肪酸が一気に増えるとされています。

サラダ油の製造工程で説明しましたが、脱臭の際、約250℃で長時間加熱します。

大量のトランス脂肪酸が発生している可能性が高いですが、含有量の表示が義務付けされていないので、消費者には分からないのです。

 

脳に悪影響を及ぼす

サラダ油はノウンい悪影響

サラダ油の製造工程をご紹介しましたが、何度も加熱していましたね。

この工程でサラダ油は酸化し「ヒドロキシノネナール」という毒性物質が発生しています。

 

ヒドロキシノネナールはどのような作用をするかというと、脳に蓄積し、特殊な酸化をしてしまい神経細胞が死んでいく、ということです。

詳しくは「サラダ油をやめれば認知症にならない 医学博士・脳科学専門医 山嶋哲盛先生」の本に説明があります。

 

また認知症の人は、脳の神経細胞中のオメガ3が極端に少ない、ということも分かっています。

 

日本は病気大国とも言われていますが、三大死因でもある「がん」「心疾患」をはじめ「脳血管疾患」「アトピー」「花粉症」「うつ病」などありとあらゆる病気に関連している可能性があります。

 

サラダ油が含まれている食品

手軽に使いやすいからこそサラダ油は私たちの生活に浸透していますが、私たちが想像している以上に生活の至る所で使われています。

炒め物や揚げ物でサラダ油を使うことは分かりやすいですが、

  • ドレッシング
  • マヨネーズ
  • 市販のカレールウ
  • お惣菜の揚げ物

などにも使われています。

 

サラダ油に限ることではありませんが「植物性油脂」「植物油脂」という言葉を見たことがありますか?

 

ありとあらゆる加工食品に使われています。

商品の成分表を見てみて下さい。本当にたくさんの食品に植物性油脂と書かれています。

 

油脂(ゆし)ですので油なのですが、どのような原材料の油を使っているか消費者には全く分かりません。

恐らくサラダ油のような油を使用していると思いますが、それを考えるとほとんどの加工食品にサラダ油(のような油)が使われていると思ってもよいです。

 

「健康エコナ」問題から学べること

健康エコナから学べること

みなさん覚えていますか?健康エコナ。

1999年に花王が「健康エコナクッキングオイル」を発売し、国から特定保健用食品(トクホ)の許可も得ていたのですが、

発がん可能性成分が他の精製植物性油(いわゆるサラダ油)よりも多く含まれている

ということで2009年に関連製品も含めて販売を中止しました。

「体に脂肪が付きにくい」というフレーズを覚えている人もいると思います。

 

この出来事はメディアも大きく取り上げ、集中的に報道されていたことを思い出します。

 

「目立った出来事」であると思いますが、日々このようなことは起こり続けていると考えた方が良いでしょう。

消費者が受ける「イメージ」と「金額」で商品は売れます。

最近は健康志向の人も多くなってきたので、産地や成分、製造工程なども気にする人も増えては来ていると思いますが、やはりイメージ広告で商品を選択する機会は多いと思います。

私たちは

  • 売れているから
  • 安いから
  • いつも使っているから

というような判断で商品を選ばないことが大事だという教訓だと思っています。

 

普段使いの油の選び方

サラダ油の選び方

私は大きなペットボトルに入っている特売のサラダ油はおすすめしません。

おすすめしません、というとやさしく聞こえるかもしれませんが、自分や家族のことを考えると「使ってはいけない」というくらいの気持ちです。

ほぼ毎日口にする油ですから、余計にそう思います。

安いということはそれなりの理由があります。

 

油にはある程度お金をかけるべきだと考えます。

この記事の一番初めに書きましたが、人間の体にとって油は非常に重要な役割を果たしています。

数百円の違いで病気の元になる可能性のある食品(サラダ油)を買うことはありませんし、結果的には多額の医療費が必要になることも考えられます。

 

人間の体も脳も、食べ物で作られていきます。

今の科学でどんどん過去の常識も変わってきています。油もその一つです。

 

というわけで普段使いの油をどのように選んでいけばいいか、考えています。

あ、普段使いの油とは、炒めものや揚げ物などに使用する油を意味しています。

もちろんそのまま油を飲んだり、ドレッシングの材料にしたりすることもありますが、そのような「加熱せず食べる油」は亜麻仁油に代表される良質なオメガ3が良いと思います。

オメガ3は熱に弱く酸化が早いので、生のまま食べることをおススメします。

 

オメガ9(オレイン酸)という油

この記事では初めて登場するオメガ9ですが、代表的な油はオリーブオイルです。

オメガ9は必須脂肪酸ではありませんが、オメガ3、オメガ6より熱に強く酸化しづらい油です。

オリーブオイルはパスタなんかに良く使われますね。

でも香りが強いので、すべての料理に使うのはちょっと躊躇してしまいます。

・・・全部イタリアンになっちゃう。

 

オリーブオイルにも沢山種類がありますが、香りが気にならないなら炒めものにはおすすめできます。

※オリーブオイルにも種類がありますので、また別の記事で詳しく書きますね。

 

日本で最も多く使われている油はキャノーラ(なたね)油です。

ちなみにキャノーラとはカナダの油という意味で、日本に入ってきているキャノーラ油は遺伝子組み換えが多いと理解しないといけません。

キャノーラ油は、オメガ3:オメガ6:オメガ9の割合が1:2:6ほどで、非常にバランスの良い割合なのです。

 

熱にも比較的強く、オメガ3も豊富に含まれているので使い勝手の良い油なのですが、問題は遺伝子組み換え作物の場合がほとんどです。

これさえクリアできればキャノーラ油をメインの油にしても良いですね。

 

オメガ9が多くて使いやすい油としてハイオレックの紅花油(サフラワー油)も良いです。

ハイオレックでない紅花油は、高リノール酸の油ですのでオメガ6が主体です。

品種改良によりオメガ9が多いハイオレックをオススメします。

 

トランス脂肪酸がどれだけ含まれているか

いま一番気にしたほうがいいのは、そのサラダ油にはどれくらいトランス脂肪酸が含まれているか、だと思います。

しかし、日本はトランス脂肪酸がの含有量が表示されていないのでパッケージを見て調べることが出来ません。

 

専門の調査機関に油を送ってトランス脂肪酸の含有量を調べてもらうことも出来ますが・・・1商品何万円もします・・・

でも過去にそれをまとめてくれた人がいます。

少し古い情報ですが、現在のところこれ以上に優秀なデータが見つかりませんでした。

本の内容も面白いのですが、巻末の付録に実際の商品名を出してトランス脂肪酸の量を掲載してくれています。

 

サラダ油まとめ

サラダ油まとめ

サラダ油について幅広く説明してきましたが、概要はつかめましたでしょうか。

毎日食べるものだからこそ、自分が食べている油が一体どのような油なのか、ということは分かっておいたほうが良いと思います。

 

現在の日本の環境でしたら、いわゆる「ヤバい油」から100%逃れることはできません。

そこまで極端に考えなくても、普段自分や家族が食べている油から変えていくことは出来ると思います。

 

消費者が「安い」を求めるあまり、油だけではなく様々な食品から天然のものが減り、化学物質満載の食品で溢れかえっています。

 

値段が安くてオーガニックでトランス脂肪酸が少ない油、は私には今のところ見つけられません(笑)

自分が何を選択するかですが、私は

  1. トランス脂肪酸の含有量
  2. 値段
  3. オーガニック

の順番で選んでいます。

 

人間が外から取り入れる割合の多いものから見直していくと良いと思います。

今回はサラダ油を取り上げましたが、その他「水」「空気」もたくさん取り込んでいますね。

 

油に関してはまだまだ知ってほしいことがたくさんありますので、切り口を変えてまた書くようにします!