腸は人体最大の免疫器官!油の良し悪しで腸内環境が決まる?

腸内フローラと油脂

油は人体のすべての細胞に関わる重要な栄養素です。

良い油を取れば細胞膜が正常に機能しますが、悪い油を取り続ければ病気になりやすい体(細胞)になると言われています。

 

人間は免疫力があり、免疫力が高ければ病気になりにくいと言えます。

※免疫とは病気から逃れる仕組みのことです。

 

免疫力を高めるには

  • 体温を上げる(36.5℃程度)
  • 睡眠をしっかり取る
  • ファイトケミカルの摂取

などが一般的ですが、今回は人体最大の免疫機関である「腸」と大切な栄養素「油」の関係を説明していきます。

油は体全体の細胞膜の主原料ですので、腸にも大きな影響力を持っています。

油って本当に大切なんですよ!

腸内細菌が免疫のカギ

腸内細菌

人間の腸には100兆個~1000兆個もの細菌がすみついています。

腸にすみついている細菌の割合は、一人ひとりすべて違います。このことを腸内フローラとも言いますが、腸内フローラによって「どんな病気になりやすい」かも決まってしまいます。

日々の食事で腸内フローラは変化していきますが、病気だけでなく、肥満になりやすい腸内フローラ、痩せやすい腸内フローラなどもあります。

腸は「人体最大の免疫器官」や「第2の脳」とも言われたりするほど、重要な臓器です。

※第2の脳に関しては今回の話からずれてしまうので、またの機会に書きます。なんと腸内フローラが記憶力や判断力などの脳機能に影響している、という話です。

 

今回は免疫力にフォーカスしていきます。

 

なんと人体の約6割~7割の免疫細胞が腸に存在しています。

 

多くの日本人が悩まされている「花粉症」「アトピー性皮膚炎」「ぜんそく」なども、免疫が大きく関与しています。

本来免疫は、ウイルスや病原菌などの外敵から身を守る役割を持っていますが、無害な花粉にも過剰に反応してしまうことで花粉症などの症状を引き起こしてしまいます。

 

免疫の過剰反応を抑えてくれる免疫細胞も腸内細菌が作っていることが分かっています。

そしてそれら免疫細胞は食物繊維を餌とする腸内細菌が作ってくれます。

 

健康を考えるうえで、腸内フローラを整えることは切っても切り離せない関係です。

 

すこし別の話題ですが、薬について面白い話があります。

薬と言えば「人間に効く薬」が当たり前ですが、「腸内フローラに効く薬」という観点で開発される時代にもなってきています。

※実際に腸内フローラ改善の薬が、糖尿病の薬をとして開発され効果をあげています。

 

この腸内フローラに大きく関係しているのが「油」です。

 

腸を老化させる主な物質が「悪い油」

悪い油脂

腸の粘膜細胞は新陳代謝のスピードが速く、食べたものの影響を最も受けやすい臓器です。

悪い油を取り続けていると、悪い油(脂肪酸)で腸粘膜が作られることになります。

 

現代人はオメガ6という油を摂りすぎている人が非常に多いです。

オメガ6ともう一つオメガ3という油もあるのですが、この2つは必須脂肪酸です。

必須脂肪酸とは、体内で作ることができないので食事で摂取する必要がある脂肪酸です。

 

オメガ6とオメガ3は以下のような特性があります。

オメガ6 オメガ3
アレルギー促進 アレルギー抑制
炎症促進 炎症抑制
血栓促進 血栓抑制
血液を固める 血管拡張

 

腸に特化して考えるために少し表現を変えると

  • オメガ6:固い細胞膜を作る
  • オメガ3:柔軟な細胞膜を作る

という特徴があります。

 

細胞にとってはどちらも必要で、理想の割合は「オメガ6:オメガ3=4:1」とされていますが、現代人は「10:1」という割合の人も多い状況です。

オメガ6過多になると腸粘膜の細胞膜が固くなり、大事な消化吸収機能、免疫機能の働きも悪くなってしまいます。

 

そして腸は「蠕動(ぜんどう)運動」と言って、収縮を繰り返しながら腸の中にあるものを前に押し進める働きがあります。

柔軟性を失っている場合は、この蠕動(ぜんどう)運動も動きが悪くなり、腸の内容物が長くとどまり腐敗菌(悪玉菌)が増えてしまいます。

つまり腸内環境が悪くなってしまうということです。

 

摂取したくない油

摂取したくない油

特に摂取したくない油は、(人工的に水素添加した)トランス脂肪酸です。

例を挙げると

  • マーガリン・ショートニング
  • 酸化(劣化)したサラダ油

です。

 

これは腸だけでなく、人体にはできるだけ入れたくない(摂取量ゼロにしたい)油です。

先進国諸国では表示義務はもちろん含有量まで制限されている所が多いですが、日本では「表示義務すらありません」

(アメリカでは人工的なトランス脂肪酸は一切の使用禁止、という州もあるくらいです。ちなみにニューヨーク州などです。)

 

人工的に作られたトランス脂肪酸は、今回の話でいえばアトピーの原因にされるとも言われますが、アトピーだけでなく

  • がん
  • 認知症
  • アレルギー
  • 心疾患
  • 糖尿病

などの原因にもなり得る「死の油」と言われています。

 

サラダ油についても記事を書いているので、時間のある時に読んでみて下さいね。

サラダ油はなぜ危険なのか?

2017.07.20

 

腸をいきいきと活動させる「良い油」

良い油

さきほど「悪い油」の特徴を紹介しましたが、良い油はその逆の特徴を持っています。

柔軟な細胞膜になり、消化吸収・蠕動(ぜんどう)運動の動きが良くなる油です。

 

これは「良質なオメガ3」を摂取することで細胞膜を柔軟にし、結果として腸内環境の改善に役に立ちます。

 

  • 亜麻仁油(フラックスオイル)
  • えこま油
  • チアシード
  • 魚油(DHA・EPA)

 

などが良質なオメガ3を多く含んでいる油の代表ですが、どうせなら「オーガニック」の油を選択してください。

最近は健康志向の人も多くなってきたので、オーガニック素材でこれらの油を作っている会社も多くあります。

 

注意点は、オメガ3は熱に弱いということです。

炒めものや揚げ物には使わないでくださいね。

サラダにかけるドレッシングにつかったり、私はスプーン一杯をそのまま食べて(飲んで)います。

 

良い油を選択する基準としては

  • 抽出方法は低温圧搾(コールドプレス)
  • 暗い色の瓶に詰められているか
  • 有機農法で栽培された植物か

を考えていればまずはOKだと思います。

 

ただ、上の項目すべてを満たしていたり、さらにこだわりを持っていたりするとお値段も上がってきます。

油にはお金をかけた方がいいとは思っていますが、そのあたりはバランスを取って下さいね!

 

保存料(防腐剤)と腸内細菌の関係

保存料と腸内細菌

油の話から少し外れますが、腸内細菌の環境(腸内フローラ)と保存料(防腐剤)の関係にも少しだけ触れておきます。

保存料とは食品添加物の一部です。

 

保存料は何のために使用するのかというと、

菌の繁殖、成長を抑えて食品の腐敗を防止する

という目的で使用されます。つまり賞味危険が長くなることに繋がります。

 

保存料の種類は、「ソルビン酸」や「安息香酸」など、数え方にもよりますが10種類以上は軽くあります。

 

食品添加物に関しては、使用する種類や量は厚生労働省により管理されてはいます。

しかし、複数の食品添加物(保存料)を同時に摂取した場合や、長期間摂取し続けた場合などの安全性に関しては未知数です。

※「安息香酸」と「黄色4号」の組み合わせは子供には最悪、などのデータはあったりします。

 

そして食品添加物を1種類だけ使用するような食品はほぼなく、複数使用することが普通であり、スーパーなどで販売している食品のほとんどに食品添加物が含まれているという事実は分かっておきましょう。

食品添加物についての詳しい説明はこちらでどうぞ。

食品添加物との付き合い方

2017.03.01

 

さて、上で説明した保存料の使用目的「菌の繁殖、成長を抑えて食品の腐敗を防止する」ですが、腸には菌がたくさん生息しています。

保存料が腸内細菌の動きを抑制する可能性があるかないか、で様々な意見があります。

 

例えば「食品安全情報ネットワーク(FSIN)」では、以下のような意見が出ています。

食品添加物の保存料が腸内細菌に悪影響を及ぼすとは極めて考えにくいことです。それは次のような理由によります。

  • 保存料は食品中の有害微生物の増殖を抑えるために使われるものです。保存料の種類により効果のある微生物は異なり、すべての微生物に効果があるわけではありません。また、ある量の微生物を抑えるにはそれに対応する量の保存料が必要です。微生物の量があまりに多い場合には、保存料は効果を発揮することができません。
  • 保存料は食品中で有害微生物の増殖を抑えるのに必要な最低限の量で使われます。これは、味やコスト面も考慮する必要があるからです。また、合成系の保存料の場合には使用できる上限量が定められています。
  • 食品中の保存料は、ヒトに摂取された時点で他の飲食物や体内の水分により希釈されます。また、多くの保存料は小腸までに消化、吸収を受けるので、大腸まで到達する場合でも摂取量の一部のみと考えられています。
  • 最低限の量しか使われていないものが、このように希釈されたり吸収されたりしますので大腸に到達するのは非常に少ない量です。そのように少ない量で、大腸内に大量に存在する腸内細菌に対して悪影響を与えることは極めて考えにくいことです。

 

公開日が2012年4月12日なので、少し古い情報です。

食品安全情報ネットワークは「保存料は腸内細菌に影響しない」という見解です。

 

かたや現在の健康に関して解説している本、WEBサイトのメインストリームは「保存料は腸内細菌に影響する(動きや量が減少する、保存料付の食品は腸内細菌の餌にならない)」という内容です。

 

私が調べた限り、保存料が腸内細菌に影響しない、という見解を公開しているのは食品安全情報ネットワークのみでした。

しかも2012年4月と情報も古く、現在も同じ見解かどうか不明です。

私の見解は、保存料が腸内細菌に影響しないのであれば

 

  • 保存料を販売している企業からの見解があってもいいのに、ない
  • 腸内細菌に影響しないという根拠になるデータが、ない
  • 逆に腸内細菌に影響するという根拠になるデータも、ない

 

ということを考えるとなかなか難しいですが、できるだけ保存料は避けておいた方がいいと考えています。

もちろん保存料だけでなく、腸内細菌の餌となる食物繊維の摂取量が減っていることも腸内環境が悪くなるの要因ではありますが、体全体のことを考えても食品添加物は減らしていった方がよいと考えています。

現代では食品添加物を100%無くすことはできませんので、減らす、という感覚です。

 

まとめ

腸内環境を整えることは、体全体に影響する非常に大切なことです。

今回は油を切り口に記事を書いていきましたが、他に腸内環境に影響するものとして

  • 運動
  • ストレス
  • サプリメント

などもあります。

 

基本はすごくシンプルですが、現代の生活環境だと「心がけておかないとできない」ことが多いです。

 

特に油に関しては、腸だけでなく体全体に対しての栄養力が強いということと、自炊をしない限りは「ヤバい油」を摂ってしまうことがほとんどなので、良い油を摂ることに意識してみて下さい!